凍み大根は母の思い出
切干大根はご存じでも、凍み大根をご存じない方が多いかもしれません。
切干大根は、大根を細切りにして天日乾燥させた干し野菜で、主に冬の寒風に晒して作ります。近隣のスーパーだと宮崎県産の物が多く並んでいますね。
凍み大根(「寒干し大根」ともいう)も冬の寒風に晒すのは同じですが、大根を細切りにはしません。大根のサイズにもよりますが皮を剥いたら縦半分か1/4位に切り、茹でてから紐を通して吊るして干します。凍結と解凍を繰り返すうちに水分が抜けスポンジ状になって乾燥します。長野県や東北地方で作られることが多いとされています。
スポンジ状になった部分に旨味が染みて、独特の食感と味わいが楽しめます。

母も毎年、冬の寒さが厳しくなると凍み大根を作っていました。自分で育てた大根を使って作るのですが、母の育てる大根はいつも甘味があって美味しかったので、凍み大根にしても甘く、ベッコウ色になるのです。乾燥していてもベッコウ色の滴が落ちるくらい、糖度の高い凍み大根が出来るのを自慢していました。
でも、道の駅に出荷すると売れ残ることが多く「色が汚なく見えるみたいで、売れ残るんだわ。甘くて美味しいのになぁ。もったいねー」と残念そうに言っていました。
そんなベッコウ色の母の凍み大根を煮物に入れると、お砂糖を入れなくても甘過ぎるくらいの味になりました。もう食べることはできませんが、凍み大根を見ると、頬被りをして嬉しそうに大根を持っている母の顔を思い出します。
今回は義姉が作った凍み大根をもらってきたので、筍と煮物にしました。

